首・肩痛

肩こりは、ひとつの症状にすぎません、頸椎の構造的な問題、機能的な問題、病理的な問題を多く含んでいます。
首周辺の痛み
多くの日本人は、肩こりを症状ではなく、一つの単純な病名としてとらえています。

肩こりを訴えて来られる方のほとんどは、頸椎の生理的な前弯が減少し、ストレートネック或は、さらに悪化してカイフォテックネック(後弯頸椎)を呈しています。
更に正面から見ると横に曲がっていたり、ねじれを生じていたりと頸椎の構造的な問題を抱えた患者さんが多くいらっしゃいます。

構造的な問題(頸椎のずれ)は、それらそれぞれの運動機能を阻害することになります。
さらにこれらの運動機能不全が椎体(背骨)の老化を促進させます。
かたよった重力は当然左右あるいは、前後面でのアンバランスな状態を引き起こします。

その結果として肩こりも含め様々な周辺の症状を引き起こしてしまいます。
手のしびれ、頭痛、背中の痛み、などが症状としてあげられます。

治療方法は?

これらの、構造、機能、病理的な問題を把握したうえで、特殊な調整を行います。
多くは、数回の治療で上記症状は感じなくなります。
肩の痛み
肩周囲の痛みで悩まれている患者さんも多くいらっしゃいます。

肩関節は、上腕骨と肩甲骨で関節を形成しています。
肩甲骨は、肩甲挙筋、大小菱形筋、前鋸筋、僧帽筋、小胸筋によってさまざまな運動をします。
肩周囲の痛みはこれら肩甲骨の運動をつかさどる筋肉、あるいは筋筋膜同士の癒着や損傷により、肩甲骨自身の運動が阻害された結果、上腕骨骨頭の動きも止めてしまうことになります。
自身が若いころには、上腕骨を動かす筋肉ばかりに執着し、三角筋、上腕二頭筋、上腕筋、上腕三頭筋、棘上筋、棘下筋、大円筋、小円筋、そして腱板・・・ これらの筋肉に対して様々なアプローチ試みてきました。

結果はたいしたものではありませんでした。

重要なのは肩甲骨の動きで、これらに対するアプローチは、素晴らしい結果をあたえてくれました。
さらに自身の最近の臨床により、大切なもう一つ筋肉を発見しました。

それは、横隔膜です。

これは腹腔と胸腔の間の隔壁ですが、呼吸と連動して上下に動いています。
横隔膜の緊張は、柔軟性をかき上下のどちらかに固定された状態になります。
この結果胸郭の動きは、悪くなります。
肩甲骨と肋骨間の運動が妨げられ、特に前鋸筋や小胸筋の筋筋膜に支障を来すことになります。

治療方法は?

肩甲骨の各運動を他動的に行います。
横隔膜の緊張をクラニアルテクニックによって瞬時にとります。
肩関節を無理に動かしたりすることは一切しません。
動かさないとさらに癒着してしまうという考えもありますが、動かない理由があればその問題を解決することが先決です。